皮膚のバリア機能



皮膚の角質層には大きく2つの機能があります。
ひとつは、体内の水分の蒸発を防ぎ、乾燥肌にならないようにする保湿機能です。もうひとつは、異物が体内に入り込むのを防ぐバリア機能です。

角質層は角質細胞がレンガを積み上げたように並んでいます。そして角質細胞間脂質がレンガの目地を埋めています。さらに角質層の表面はスクワレンを12%程度含む皮脂膜という薄い油分で覆われています。
細胞間脂質は、50%がセラミドを95%含むスフィンゴ脂質、残り30%がコレステロール、20%が脂肪酸から成ります。

このセラミドと脂質(コレステロールと脂肪酸)が交互に層を形成し、その間に水分(結合水)が蓄えられています。これはラメラ構造と呼ばれ、肌の水分を保つための大切な役割を果たしています。さらに皮脂膜が角質層の水分の蒸発を防ぎます。

正常な角質層は、化学物質や大気汚染物質、ダニ、ハウスダストなどのアレルゲンや、細菌などの異物が体内に侵入しないようにシャットアウトする機能も担っています。これが皮膚のバリア機能です。

アトピー性皮膚炎の人の肌は、このセラミドの量が健康な人の半分以下に減少すると言われています。また、皮脂膜も少ないため、角質層内の水分が蒸発し、いわゆるアトピック・ドライスキンという乾燥性敏感肌になるのです。

細胞間脂質のセラミドの量が少なくなると角質間に隙間ができ、異物が角質層を越えて体内に侵入してきてしまいます。
ちょうど、オゾン層が破壊されて、有害な紫外線が地表に降り注ぐのと仕組みが似ています。
その結果アレルギー反応を強く引き起こしたり、細菌によって感染を起こしたりするのです。


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